ワールド・ミュージックの新しいスタンダードを提案していく、 panai レーベルのご紹介です。自分が絵描きと並行して行っている、いわば音楽部門です。

panaiレーベル10作目はブラジルのイチベレ・ツワルギが率いるイチベレ・オルケストラ・ファミリアです。20名以上の演奏家が入り交じって繰り広げる、まるで音のサーカス団のようなユニークな楽団です。

中心人物となるイチベレ・ツワルギは1950年、ブラジルのサンパウロ生まれ。1977年からはエルメート・パスコアルと活動を共にしています。パスコアルからも、楽器奏者/作曲家として最大限の賛辞を受けておりエルメート・バンドでも現在最古参のメンバーだと思います。

イチベレは自身のエルメート・バンドでの経験を伝えるためにブラジルの若者を集めてバンドを作ることを思いつき、1999年に自身の名を冠した大編成バンド「イチベレ・オルケストラ・ファミリア」を結成して、アルバムを発表、2005年の2ndアルバム「Calendário SOM」ではパスコアルが一日に一曲、一年で365曲作曲した中からの27曲を収録しています。

フルート、サックス、ギター、ベース、ピアノ、女性スキャット、ドラムス、パーカッション、、大編成のバンドがまるでひとつ生命体のように踊り、歌い、跳ねまくるような楽曲は音楽本来の楽しさを体現しています。曲調も、高い技術をもったメンバーが入れ替わりながらブラジリアンはもちろん、ジャズ、ロック、そして時にはクラシカルにと、魅せて、ノせてとサービス精神たっぷりで、とにかく聴かせてくれます。

こうでなくてはならない、といった制約やルールからいかに自由になれるか、ということを感じさせてくれるグループです。在籍していた日本人のメンバーからも話を聞きながら、的確なライナーをケペル木村さんに書いて頂きました。本当に聴き飽きることのないアルバムです。






この動画にもイチベレは参加しています。好きな動画なのでご紹介します。

2011年11月16日発売　pana010